美容皮膚科女医のひとりごと

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ピーリングの効果や種類について

美容皮膚科やエステサロンだけでなく、日々のスキンケアにも手軽に取り入れられている「ピーリング」。当院でも最近お問い合わせが増えています。

その名の通り「皮をむく・剥がす」という意味を持つピーリングは、まるで玉ねぎの皮をむいたときに現れる滑らかな面のように、肌表面の古くなった角質を取り除くことで、明るく透明感のある肌へ導く美容法とされています。

「透明感のある肌を手に入れたい」「シミを改善したい」「ごわつきが気になる肌をなめらかにしたい」――そんな想いから、すでにピーリングを試したことのある方もいらっしゃるかもしれません。

実際、ピーリングはニキビや古い角質のケア、美白やなめらかな肌づくりなど、年齢を問わず多くの美容効果があるとされています。

そもそもピーリングとは何か

ピーリングとは、酸などの薬剤の力で肌表面の角質層をやわらかくし、不要な角質をはがし落とす美容法です。

現在主流となっているピーリングにはいくつかの種類があります。たとえば、グリコール酸やサリチル酸といった化学物質を肌に塗布して角質を除去する「ケミカルピーリング」、または金属アルミナなどの微粒子を吹きつけて角質を物理的に取り除く「クリスタルピーリング」などがあり、いずれも肌の表面に働きかけて、皮膚の新陳代謝を促すことを目的としています。

ピーリングの主な目的は、古くなった角質を除去してターンオーバー(肌の生まれ変わり)のサイクルを整えることにあります。

ただし、覚えておきたいのは、健康な肌であれば古い角質は自然にはがれ落ちるという点です。ピーリングに頼りすぎず、肌本来のリズムを尊重することも大切です。

皮膚のターンオーバーとは、表皮の細胞が一定の周期で新しく生まれ変わる仕組みのこと。通常、健康な肌では約4~6週間のサイクルでこのターンオーバーが繰り返されています。

ピーリングの効果とその作用

ピーリングを行うことで、肌表面の古くなった角質層が剥がれ落ちるため、シミやくすみ、小ジワ、ニキビといった肌悩みの改善が期待できるとされています。

特に、角質に沈着したメラニン(シミの原因)を「酸」の力で柔らかくし、物理的に除去することで、肌のトーンが明るく見えることがあります。

また、ニキビ(尋常性ざ瘡)は、毛穴の出口が角質によって塞がれることで起こると考えられているため、ピーリングによって角質層を除去し毛穴の詰まりを改善することで、ニキビの悪化を防ぐ効果も期待されています。

しかしながら、こうした効果については症例によって差があり、必ずしもすべての人に同様の結果が得られるわけではありません。
実際に、ピーリングを行っても効果が実感できないケースや、肌への刺激によって逆効果となる場合も報告されています。

医療機関で行うピーリング

美容皮膚科や美容クリニックなど、医療機関で実施されるピーリングには、大きく分けて以下の2種類があります。

  • ケミカルピーリング
     グリコール酸やサリチル酸などの薬剤を使用して、肌表面の古い角質や毛穴の詰まりを取り除きます。主にニキビやくすみ、シミ、小ジワの改善が目的とされます。

  • レーザーピーリング
     特殊なレーザーを用いて角質や皮膚表面の不要な部分を除去し、肌のターンオーバーを促進する方法です。美肌効果に加え、より深い層への作用が可能とされています。

医療機関で行われるピーリングは、エステサロンや市販のピーリング剤よりも高濃度の薬剤や高出力の機器を使用できるため、肌への作用がより深く、効果も高いといわれています。
しかし、その分リスクや副作用が生じる可能性もあるため、十分な知識と技術をもった医師のもとで施術を受けることが重要です。

特に、個人輸入などで安易に医療用のピーリング剤を自己使用することは、強い刺激や肌トラブルを引き起こすおそれがあるため避けましょう。

ピーリングは、目的や期待する効果だけで判断するのではなく、リスクやダウンタイム、肌質との相性といった「デメリット」もしっかり理解した上で、医療機関で適切な方法を選ぶことが大切です。

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